第8章》騎士団迎撃

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 暫くして助け出されたアキは、走るトラックの荷台で揺られていた。アサルトライフルは脇に置いてある。 「助かったよ、ありがとう」  そう礼を言うと、フレグがへにゃっとした笑顔を見せる。 「いやぁ、よかったっす。知り合いが見つかると一気に安心できるっすね」 「他の隊員は?」 「俺とレントさん、あと、デールは物資集積所で長距離通信の回復作業をしてるっす」 「クロ…隊長は?」  すると、フレグは途端に心配そうな顔になった。 「実は、隊長だけ見つかって無いんす。俺達がどうなっているかも分かりませんし、手探り状態っす」 「そう…」  そう呟いてアキは空を見上げた。心なしか緑がかっているのは気のせいだろうか? 「…と、いうか、ここはどこなの?」 「さっぱりっす」  そうこう言っている間に、アキ達を載せた軍用トラックは、物資集積所に到着した。アキとフレグ、レントを降ろすと、トラックはいずこかへ走り去っていった。おそらく他の人間を探す為だろう。  物資集積所では、山と積まれた木箱や、所狭しと張られたテントの間を兵士達が歩き回り、作業をしている。  それらの間を器用にフレグはすり抜けながら、物資集積所の一角のテントへと案内した。  その中ではデールが唸りながら無線機等と繋いだパソコンを操作していた。パソコンのそばには小型のパラボラアンテナのようなものが置かれ、衛星と通信を試みようとしているのだろう。
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