第8章》騎士団迎撃

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 モニターの光をメガネに反射させながら、デールはキーボードを叩いている。少し離れた所からフレグは声をかけた。 「デール!アキさん見つけてきたっすよ~」  デールの肩が跳ね上がる。パソコンから妙な音が鳴った。 「あっ!あぁあ…」  がっかりとした顔でデールはアキ達に向き直った。途端に笑顔になり、アキ達を出迎えた。 「アキさん!無事だったんですね、いやぁ、よかった!」 「ごめん、邪魔しちゃった?」  心配そうにデールの背後を見やるアキ。パソコンから鳴った先程の奇妙な音。何かの操作に失敗したのだろう。 「あぁ、大丈夫です。ピンボールやってただけなんで」 「「「遊ぶな」」」  つい声をハモらせてしまう3人。いじけたように髪の毛の先をいじってデールが言い訳をした。 「いやぁ、だって…いくらやっても繋がらないんですもん…ほら」  そう言ってパソコンの縮小されていたウィンドウを拡大するデール。そのウィンドウには接続状況を表していると思われる緑色のバーが幾つもあった。 「軍事、民間問わずにネットワークに繋げるものを探しているんですが…このとおり、短距離無線しか使えない状態です。」 「民間もだめなの?」 「ええ…困ったもんですよ…」  デールは本当に困っているようで、そう言って頭を掻いた。
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