第8章》騎士団迎撃

6/41
前へ
/627ページ
次へ
「…で、状況は?」 「あ、はい。では応急指揮所まで行きましょう。ついてきて下さい」  そう言ってテントから出て行くデールに、アキ達は続いた。草原の雑草を踏みながら積まれた資材の隙間にできた道を縫うように歩いてゆくと、兵士がひっきりなしに出入りするテントが現れた。 「ここが指揮所です」  そう言ってデールはアキに入るように促す。アキは頷いて、テントの入り口に立ち中に呼びかけた。 「第117小隊副隊長、アキ・メイプルフィールド軍曹、入ります」  そう言うとアキはテントの中へと入る。中には数人の士官の姿があった。その中の1人がアキのほうを見て声をかけた。 「後ろのも入ってくれ、人は1人でも多い方がいい」  そう言われてテント内にデール達も入ってきた。士官は全員を確認すると、アキに手を差し出した。 「陸軍情報士官のクラウツ・ハンスキン、中佐だ。味方が増えて助かるよ」  そう言うクラウツの手を、アキは握った。クラウツは手を離した後、話し始める。 「軍曹はさっき合流したばかりかね?」 「はい」 「合流できた所悪いが、君たちの隊に任務を与えたいのだが…」  どんな任務だとしてもまず自分達の置かれている状況を確認しなければならない、そう考えたアキはクラウツに質問した。
/627ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8296人が本棚に入れています
本棚に追加