第8章》騎士団迎撃

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「中佐、状況の説明を願います」 「ん、そうだな。任務にも関係することだし、皆、こっちに来たまえ」  そう言ってテント内の中央に置かれた机にクラウツはアキ達を招いた。机には幾つかの紙が広げられていて、アルハン近郊の部隊配置や、資材集積所にある物資のリスト等が書かれていた。  その中の一枚、殆ど何も書かれていない紙をクラウツは引き出し、アキ達に見えるように置いた。クラウツは重々しく話し始めた。 「とりあえず、ここは草原だ。アルハンでは無いと思われる。空の色は緑がかっているように見えるし、既存の国土地図のどの地形とも合致しない。つまり、アストラニアですら、無い」  それを聞いたフレグが信じられないように頭を掻いた。 「そんなバカな…俺達は都市の真ん中で戦ってたんすよ!?一体どうやってここに来たんすか!?」 「しかし、事実だ。とりあえずこの状況はどうしようもない。…君、えーと、デール君だったか?確か、通信の回復作業を頼んだ筈だが、どうなっているかね?」  そう言ってクラウツはデールに話を振った。 「さっぱりです。民間、軍事問わずネットワーク回線が発見できません。個人携行や車両同士の近距離無線は通じます。あと、個人装備のローカルネットです」
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