第8章》騎士団迎撃

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 キャンプの喧騒から離れると、走り続けるジープのエンジン音と吹き付ける風の音しかしなくなった。周りには草原が広がっている。風に撫でられて、草がざわざわと揺れた。 「アキさん、ここって本当にどこなんでしょうか…」  と不安そうにデールが言う。 「分からない。確かなのはアストラニアでは無いと言うことね」 「これからどうなっちゃうんでしょう…」  弱音を吐くデールに重機関銃にとりついているレントが喝を入れた。 「そんなに弱気になってどうする?なるようにしかならんのだからもう少し気楽にしてたらどうだ?」 「そっすよデール、ポジティブシンキングっすよ?」 「フレグは楽観的過ぎなんですよ…」  話を変えるために、レントは話題を振った。 「そう言えば、支給品は何だったんだ?」  フレグは支給品の鞄を探り、中身の名を挙げてゆく。 「予備弾に双眼鏡、コンパスとカメラっすね…あ、食料も入ってるっす」 「…少ないな」 「短時間の任務だからじゃないですか?」 「それにしてもだ…何かあったらどうすればいいんだ…?」
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