第8章》騎士団迎撃

18/41
前へ
/627ページ
次へ
 後方から、しゅるしゅるというロケット弾の風をきる音が聞こえてきた。支援攻撃だ。 「伏せろ!」  と言う声と共に、まだふらふらしていたアキは地面に引き倒された。横を見るとレントがうつ伏せになっていて、アキはついでに引き倒されたようだ。仰向けに倒されたアキの視界を覆う空を、無数のロケット弾が一瞬で飛び去ってゆく。  ロケット弾の白煙と蒼緑色の空のコントラストは、とても幻想的で、アキは、ここは夢の世界では無いのだろうかと、朦朧とした頭で考えて、その考えを否定する。  ――いや、これは現実。戦わないと…  遠くから地響きとともに爆発音。ロケット弾が炸裂したのだ。取り敢えず、ここでの任務は終わった、そう考えたアキは立ち上がろうとしたが、うまく立てなかった。誰かが肩を貸してくれる。レントだった。 「下がろう副隊長、俺達の任務は終わりだ」  レントはアキを助手席に座らせ、フレグとデールが騒ぎつつも転がり込んだのを確認すると、ジープのエンジンを始動する。そのままアクセルを踏み込み、キャンプへ全速力で走り始めた。 ・
/627ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8296人が本棚に入れています
本棚に追加