第8章》騎士団迎撃

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 第七騎士団の右翼部隊の指揮を命じられた騎士は、馬上で妙な音を耳にした。風を切るしゅるしゅるという音に、兜のフェイスガードを上げた騎士は、首を傾げながら周囲を見回す。 「なんだ…?何の音だ?」  発射されたロケット弾の種類はクラスタータイプだった。  目標近くの空中でロケット弾は分裂し、無数の小爆弾に変化すると、広範囲にまき散らされた。まき散らされた小爆弾は、キャンプへ向けて進撃していた第7騎士団の右翼部隊に降り注いだ。 「!?」  騎士が嫌な予感を感じた時には、既に手遅れだった。  小爆弾が起爆し、閃光とと共に騎士は馬ごと爆風と破片に吹き飛ばされ、絶命した。突然指揮官が死んだ残存部隊は慌てふためく。 「な…なんだ!?魔法攻撃か!?」 「怯むな、魔術師に防御魔法を展開させろ!」  そう言って兵士の1人は周囲を見回した。しかし、頼みの魔術師は既に指揮官だった騎士とともに吹き飛ばされており、彼らを守る盾は存在しなかった。 「ひ…退け!退けェー!」  退却する間もなく、ロケット弾の第二波が着弾、騎士団の右翼をごっそりと吹き飛ばした。 ・
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