第8章》騎士団迎撃

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 第7騎士団団長は、自軍の右翼部隊が爆発で細切れになった瞬間を見ていた。突然地面が爆発し、兵士達がなぎ倒される。煙が収まったあとは耕され、所々に人間のものであろう肉塊が埋もれている。 「な…んだ、あれは…本当に魔法なのか!?」  自身も魔法で敵軍を吹き飛ばす事が多い団長だったが、相手が使ってきた攻撃は彼すらも驚かせた。まず被害範囲。上級魔法でもあの攻撃と比べると低威力だろう。第7騎士団の右翼部隊は潰走している。  次に敵の攻撃の飛距離だ。丘の上の偵察隊が下がった瞬間、この攻撃が来た。敵は丘の向こうからこちらに攻撃をくわえたのだろうか?丘越しに使える魔法など、聞いたことがない。 「団長、何ですかあれは!?あんな魔法、見たこともありません!」  団長の隣で馬に跨がる副官が喚く。彼も魔術師であった。やはり見覚えの無い魔法だったのだろう。  ――兵が浮き足立っているな…  そう考えた団長は、腹からだすよく響く声で剣を振りかざした。 「あれだけの威力だ、もう相手の魔術師も精神力が尽きている!後は押しつぶすだけだ!進めーーっ!」 「「お…おぉーー!!」」  そうして第7騎士団は丘を登り始める。その先にあるものも知らずに―― ・
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