第8章》騎士団迎撃

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「脳震とうですかね、暫く寝かせときますか」  アキの目の前で指を振って「何本に見えます?」などと聞いていた軍医はそう診断した。 「副隊長、暫く休んでろ。ちょいと報告に行ってくる。もしかしたらどっかの防御に回されるかも知れないが、そんときは近くの奴に居場所を聞いてくれ」  アキは力なくこくりと頷いた。まだ誰も患者のいない野戦病院の隅っこにアキを寝かせると、軍医に敬礼してからレントは野戦病院をでた。  キャンプの外を眺めると、短時間で掘ったにしてはましに出来た戦車用の塹壕に入ってゆく戦車や、迫撃砲や機関銃の設置作業を行う兵士達の姿が見えた。唯一気になったのは鉄条網と、それを守る重機関銃がキャンプにやや近かった事だが、今更どうにもできないだろう。  ――慌てていたにしては上出来だ。日頃の訓練というのは大切だな…  そんな事を考えていたレントは小走りで指揮所まで戻る。  ――フレグとデールはきちんと報告できただろうか?
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