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案の定、できていなかった。やっぱダメかとレントは肩をおとした。
クラウツが少し苛ついた声で「簡潔に説明してくれ!」と言っていた時に、レントは指揮所に到着した。テントの外からでも聞こえる支離滅裂な報告は、聞くのも恥ずかしかった。
「ああ、助かった。報告して貰えないか?こいつらじゃ言っている意味が分からないんだ」
「は、申し訳ありません、報告します」
フレグ達を押しのけてレントが代わりに報告を行う。
「…通信で一応の報告を受けていたが、改めて聞くとやはりにわかには信じがたい内容だな」
敵は剣や槍で武装していて、鎧を着ている。謎の攻撃は、戦車砲並の威力がある。地面を埋めるほどの人数がいて、こちらに向かってくる。
「何のファンタジーだ、と、言いたい所だが、真実なんだよな?」
と、疲れたようにクラウツが言う。レントは頷いた。
「はい、敵の装備はまるで中世の騎士のようでした。火器を持っている様子は有りませんでしたから、遠距離射撃で片がつくかと」
「問題は、謎の攻撃だな…」
「ええ…」
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