第8章》騎士団迎撃

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「戦車砲並の威力は、我々にとって脅威だ。自走砲、ロケット砲車両は装甲を殆ど装備していない。キャンプの後ろに持ってくるように指示しておこう。しかし…敵は、遠距離武器を弓矢程度しか持っていないのに、どうして地面が吹き飛んだのだろう…」  その時、クラウツと共に報告を聞いていた士官の1人が呟いた。 「うーん、魔法でも使ったんですかね、そいつらは…」  クラウツはそれを聞いて鼻を鳴らした。 「まさか!魔法なんて存在しない。敵の新兵器か何かだろう?つまらん冗談はやめたまえ」 クラウツがそう言って笑った瞬間、テントの隅に設置してあった無線が空電音を発した。テントの中の人間の視線が無線機に注がれる。通信担当の兵士が慌てて応答した。 「こちら本部、どうした?」 『こちら防御部隊α!正体不明の集団が丘の上に展開中。指示を求む!』  無線の声からは焦りが感じられた。クラウツは無線を取り、指示を与える。 「各員、発砲は控えろ。指揮官の命令があるまで撃つなよ」 『り、了解!待機します!』
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