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「だめかやっぱ」
レントは現実逃避を始めたデールの頬を強く2、3発叩く。
「おぶッ」
頬を押さえて転がるデールにレントは静かに、しかし強く語りかける。
「デール、今の痛みは夢か?ぼさっとしてるとああなるぞ!死にたいか!?」
そう言ってレントが指差した先には、矢だるまとなった兵士が転がっている。全力で首を左右に振るデールの肩を強くどやしつけ、レントは指示を出した。
「デール!お前は後方から増援連れてこい!フレグ!お前は、その辺にブロックがあったろ?それとこの防御陣地を覆える程度の大きさの板を持って来い!できるか!?」
がくがくと頷く2人に僅かな不安を覚えつつ、レントは手を振った。
「よし、行け!今なら鉄条網と側防火器が抑えてくれてる!」
「「はひぃ!!」」
フレグとデールは言われた仕事を果たすため駆けだしていった。レントも立ち上がり、敵を横目で見ながら、周囲の倒れた兵士から武器や装備を集めていく。
「訳も分からんまま死んでたまるか…!」
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