第0章》プロローグ

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成歴2027年12月24日 首都アルハン陸軍基地練兵場  指揮官が、訓練中の自身の部下へ号令をかけた。 「訓練を一時中止して1時間休憩。これより各自自由行動とする。以上! 解散!」 「よっしゃ休みだ!」  その言葉と同時に、ヘルメットから金髪をはみ出させた軽率そうな男が伸びをしながら自販機のあるほうへと歩いて行った。 「流石は隊長!ちょっと外へ行って…」  と眼鏡をかけた大人しそうな兵士が言いかけると、顎髭を生やし頬に傷のある中年兵士が彼の発言を遮った。 「まぁ、この基地の広さでは1時間ではどこにも行けんがな」  しょんぼりとした眼鏡の兵士を連れて、顎髭の兵士も自販機へ歩いていった。 「ふぅ…」  それを確認した指揮官も息をつくと、呆れた様子で部下達を見送った。 (何事にも緩い国だよなぁ…ここ。)  指揮官…アストラニア陸軍少尉のクロム・アルシティはそう頭の中で呟くと、装甲車の側にあった木箱の上に腰を下ろした。何気なく空を見上げると、戦闘機の三機編隊が視界を横切ってゆく。  青い空に伸びる3本の飛行機雲…  平和な日常である。首都アルハンの喧騒が遠くから聞こえてくる。そのままぼけっと空を見上げていると、クロムの後ろに誰かが歩み寄って来た。それに気付かずに相変わらずクロムは空を見上げている。
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