第2章》アルハン空戦

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 ベクトル1の照準に敵機が捕らえられる。彼は訓練の際に言い慣れたセリフを無線に吹き込み、トリガーを引いた。 『ガン、掃射』  戦闘機の胴体側面に付いている機関砲から吐き出された弾丸は、狙い違わず敵機を穴だらけにして、爆散させた。  落ちる敵機を最後までは見ずに、次の目標へ移る。視界が悪い。地上から立ち上る黒煙が邪魔をして、敵が見えにくい。 『ベクトル1…隊長!何なんですこいつらは!?』 『動きが気持ち悪いです…うぉえ…隊長よくあんな動きに追随できますね!』  敵機の動きは異常だった。直角に上昇し、真横にロールも無しにスライドする。しかもまるで際限なく現れているかのように、数が減らないのだ。 『悪夢のようだ』  とベクトル2。 『UFOと戦ってるみたいだな…』  とベクトル3。 『UFOと戦った事なんて無いだろ?』  とベクトル2がつっこんだ。言いながら機銃を撃つが、またも真横にスライドされてかわされる。 『映画でよくやってんだろ…よし!食らえ!フォックス2!』  ベクトル3はミサイルで敵機を叩き落とす。炎に包まれた敵機は、進行方向にあった高層ビルに突っ込んで爆散した。
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