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ベクトル1の照準に敵機が捕らえられる。彼は訓練の際に言い慣れたセリフを無線に吹き込み、トリガーを引いた。
『ガン、掃射』
戦闘機の胴体側面に付いている機関砲から吐き出された弾丸は、狙い違わず敵機を穴だらけにして、爆散させた。
落ちる敵機を最後までは見ずに、次の目標へ移る。視界が悪い。地上から立ち上る黒煙が邪魔をして、敵が見えにくい。
『ベクトル1…隊長!何なんですこいつらは!?』
『動きが気持ち悪いです…うぉえ…隊長よくあんな動きに追随できますね!』
敵機の動きは異常だった。直角に上昇し、真横にロールも無しにスライドする。しかもまるで際限なく現れているかのように、数が減らないのだ。
『悪夢のようだ』
とベクトル2。
『UFOと戦ってるみたいだな…』
とベクトル3。
『UFOと戦った事なんて無いだろ?』
とベクトル2がつっこんだ。言いながら機銃を撃つが、またも真横にスライドされてかわされる。
『映画でよくやってんだろ…よし!食らえ!フォックス2!』
ベクトル3はミサイルで敵機を叩き落とす。炎に包まれた敵機は、進行方向にあった高層ビルに突っ込んで爆散した。
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