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「お疲れ」
「おおっ!?」
突然背後で囁かれ飛び上がるクロム。声の主へ抗議するようにそちらを見ると彼の予想通りの人物が彼の背後に立っていた。
青みがかった黒い瞳にややつり目ながらもどこか穏やかな雰囲気の顔立ち、前髪に金髪が一束混じった黒髪を短く切っている女性兵士…クロム隊の副隊長、アキ・メイプルフィールド軍曹だ。
黒髪に混じった金髪はまるで黒髪に金髪のメッシュを入れているように見える。そしてメッシュを入れることは軍紀違反だ。なので幾度となく初対面の士官から注意を受けるのだが、実際のところこれは地毛だったりする。
「無音で背後に立つなよアキ!心臓止まるだろうが!」
「やー、ごめん、つい」
アキはあまり申し訳無く思っていなさそうな声でそう言って、クロムの隣の木箱に腰かけた。
クロムとアキは長い付き合いで、士官学校を卒業したクロムが18に入隊してからの5年間、腐れ縁で今まで毎回毎回、配置転換があろうとも同じ部隊に配属され続けている。実戦経験もあり、過去にクロムと共に激しい戦闘をくぐり抜けてきた仲間…唯一無二の戦友だ。
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