第3章》覚醒

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 ルルゥは今幸せであった。久しぶりの糖分をがっついて摂取する。 「おぉー!甘い!おいしい!」  ルルゥにとって初めて食べるものだった。今までの男への警戒心などどこかに吹き飛んでしまったようだ。ルルゥは案外単純な脳みその持ち主であった。  甘いものを食べて頭が回るようになってくると、はぐれてしまったリーナ姫の事を思い出してしまう。  ――どうしよう、なんとかコイツを味方にできないだろうか?  と、目の前の奇妙な面を外す男を見る。  ――あ、ちょっと好みじゃん…いや、いかんいかん、どうやって協力をこじつけるか、だ。頼んだらやってくれそうではあるけど、言葉が…  そこで、ルルゥはいい魔法の存在を思い出した。術を掛けた相手の言語を共通にする魔法だ。魔導学院で暇つぶしに習った物だったが、使う機会が少ないので忘れていた。  ――なんで今まで忘れてたんだろう、すごい便利な魔法があった!  思い立ったが吉日、ルルゥは魔法を発動する準備を始めた。と言っても、呪文自体は短い。手を相手に突き出し、脳の構造を少し作り替える姿をイメージする。イメージが固まったところで、呪文を唱えた。 「バイ・リガル!」 ・
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