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「や、やはり私も戦います!」
そう言ってリーナは聖剣を持って半歩踏み出す。それをバスが語勢を強めて止めた。
「なりません!」
「何故です!?」
構わずバス達の横に並ぼうとするリーナ。物分かりの悪いのは父王と同じかと頭の片隅で思いつつ、バスは怒鳴った。
「貴女はご自分の立場がお分かりにならないのか!!貴女は王族、つまり我々の護衛対象なのです!護衛対象に先に死なれてみて下さい!我々騎士の立場がありません!」
バスに気圧されたリーナは歯を食いしばってバス達の後ろに下がった。
「……分かりました。しかし、あなた方がもし2人とも死んだら、私は虜囚になるまえに死にます!」
「お安いご用です!」
とテノール。
「テノールはともかく、私は死にませぬぞ!」
と、敵を薙ぎ払いながらバス。
「団長、こんな若い娘に心配されるなんて、我々も落ちたもんですね!」
「落ちた信用はこの身でもって上げて見せようじゃないか、テノール!」
「ですねぇ!」
不敵に笑う2人の騎士は、向かい来る闇を薙ぎ倒おさんと、それぞれの得物をじゃりっと構えた。
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