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「……なんかゴメンね…」
「いや…まぁ…」
今クロムは装甲車の外で、マイクを構えていた。
そのマイクは拡声器のような形をしており、向けた範囲の小さな音を増幅できるのだ。
俗にいう集音マイクである。
「しっかし、こんな変なもので姫様の場所が分かるの?」
その一言にクロムは少しイラッとした。集音マイクはコンピューターに繋がなければならなかったため、コンピューターに疎いクロムには相当な重労働だった。
「ほんとは場所を覚えていてくれるのが一番楽なんですがね。物忘れが激しい人は困りますね」
「うぅ…クロムさん辛口だよ…」
「ぶぅ垂れてないでちゃんと音聞いてくださいよ」
「ぐぅ…」
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