第4章》霧の森の戦い

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 今ルルゥの頭にはヘッドセットが装着されている。集音マイクのコードはそれに繋がっていた。マイクで拾った音をそれで聞くのだ。  リーナ達の声が分かるのはルルゥだけなので、クロムは彼女にそれを預けていた。  ルルゥは、最初はヘッドセットから音が聞こえるのを不思議がっていたようだが、今は真剣に耳を澄ませてマイクをあちこちに向けている。クロムはいつでも出発できるように装甲車の調子を確認していた。そうやって暫く互いの作業に集中していると、ルルゥが突然声をあげた。 「クロムさん、声、聞こえたよ!」  クロムは切っていた装甲車のエンジンを始動し、意気込んで尋ねた。 「どっちです!?」 「あっち!」  ルルゥの指差す方向を見ると、そこには乱立する木々があった。装甲車では抜けるのは危なそうだ。 「どうしよう、戦っているみたい!」  クロムは装甲車を使いたいと考えていたので回り道をすることも考えていたが、時間があまり無さそうなので強硬手段にでることにした。クロムはルルゥに呼びかける。 「ルルゥさん、しっかり捕まってください。結構派手に行きますよ」 「…へ?」
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