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装甲に弾かれて草の上を転がってゆくヘルメットは、誰かの足元まで転がり、軽くぶつかって止まった。クロムは反射的に謝っていた。
「あ、すいません…」
その人物は足元のヘルメットを白い手で拾い上げる。リーナだった。
彼女は、それを抱えてクロムの座る場所へ歩み寄り、彼にそれを手渡しながら話しかけた。
「隣、座っても宜しいですか?」
「え?あぁ…どうぞ」
その言葉を聞き頷いたリーナはクロムの隣に座る。腰の剣帯から鞘ごと抜いたレイピアは右手の側に丁寧に置いた。
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