第5章》異界に立つ兵士

5/30

8296人が本棚に入れています
本棚に追加
/627ページ
 装甲に弾かれて草の上を転がってゆくヘルメットは、誰かの足元まで転がり、軽くぶつかって止まった。クロムは反射的に謝っていた。 「あ、すいません…」  その人物は足元のヘルメットを白い手で拾い上げる。リーナだった。  彼女は、それを抱えてクロムの座る場所へ歩み寄り、彼にそれを手渡しながら話しかけた。 「隣、座っても宜しいですか?」 「え?あぁ…どうぞ」  その言葉を聞き頷いたリーナはクロムの隣に座る。腰の剣帯から鞘ごと抜いたレイピアは右手の側に丁寧に置いた。
/627ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8296人が本棚に入れています
本棚に追加