第5章》異界に立つ兵士

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 カルヴァン公国という国がヒイロエン帝国に攻撃を受け、王城が一夜にして陥落してしまったこと、リーナはカルヴァン公国の王族で、次期王位継承者であること。王城を奇襲されたため地方の各領地に連絡が届かず、カルヴァン公国軍は壊滅状態であること…  カルヴァンを襲った現状について聞き終えたクロムは装甲車に背を預けながら聞いた。 「…で、要するにそのカルヴァン公国を復活させるために、共に戦って欲しいと?そう言うことか?」  リーナは頷いた。長い銀髪がさらりと揺れる。 「そうです」 「ふーむ」  クロムは事の成り行きに困惑しながらも、状況を理解しようと務めた。  異世界に来てしまったことは、もう間違いないだろう。ドラゴンやらワイバーンやら、クロムの世界では有り得ない生物が空を飛び回っていたのだから。ワイバーンの形を模したロボット兵器かも知れないが…取り敢えずのクロムの立ち位置は…  ――勇者的な立ち位置が自分に回ってきたと言うことだろうか?しかし… 「……多分無理だな」
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