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「何故だ!?」
驚いたように叫ぶバス。リーナがなおも懇願する。
「公国に領地も与え、爵位も授けます!わが国のあらゆる栄誉を授けますよ!?…それに、私は父の敵がとれれば、あなたにこの身を差し出すことも構いません!」
「……え!?」
とリーナ。この言葉にはクロムは勿論、リーナの側近達も目を剥いた。
「な…リーナ様!?」
「それはいけませんリーナ様!大事なお体ですぞ!」
と、テノールとバス、騎士二人。ルルゥもそれは駄目だとテノール達を援護するかのように首を縦に振った。
「…い、いや、どっちにせよキツいんだよ」
「何故です!?」
と4人。出せるもの全て…王族の身体すらを差し出しての交渉である。それを断る訳をリーナ達は想像も出来なかった。普通ここまで報酬を出せばどんな冒険者でも飛びついてくるような話だ。
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