第5章》異界に立つ兵士

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「その件で、頼みたいことがあるのですが…」 「何ですか?」 「私達を隣国との国境まで送り届けて欲しいのです」  そう言ってリーナは頭を下げた。バスが困ったような顔で補足する。 「我々の馬はあの森に置いてきてしまっていてな…徒歩だといつまでかかる事か…」 「送ってあげたいのは山々ですが、距離にもよるし…国境までどれくらいですか?」 「うーん…馬で一週間位の距離ですかねぇ」  と、クロムの隣でパンをもそもそとかじっていたテノールが言う。 「街道もありますから、この乗り物なら今日中にでも着くのではないでしょうか?」  そう言って装甲車を指差した。クロムは馬の平均スピードってどのくらいなんだと想像した。が、馬に乗ったこともなければそれに関する知識を持っているわけでも無い。 「国境まで舗装された道があれば可能かも知れないけど…だけど、どうなんだろうなぁ…」
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