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洩光弾の飛ぶ先を見ると、何やら妙な物体が飛んでいた。トカゲに翼が生えたような見た目、映画ではちょくちょく見かけるが、あれはまさか…
『何だありゃ!?』
『ド…ドラゴン!?隊長!ドラゴンですよあれ!』
驚くべき事に、それはドラゴンとしか言いようのない生物に見えた。実際はワイバーンなのだが、そう言うことに詳しくないベクトル隊にはそんな事は分からなかった。
装甲車の射撃の命中率は低いようで、謎の飛行物体は軽々と避けてしまう。むしろ、そちらに向かっていく素振りを見せているようだ。驚くべきことに、ドラゴンらしき生物の上には人が騎乗しているようだ。槍のような棒を振り回している。実際、あれは槍なのだが、まさかそんなものを使っているとはベクトル隊は思いもしなかった。
『隊長、装甲車はあれに射撃しています。敵性と判断した方がよいのでは?』
『ううむ…そうだな。よし、ベクトル隊はこれより友軍を攻撃している未確認飛行物体(アンノウン)を撃墜する。散開して各個撃破せよ』
『了解、アンノウンを撃墜する』
その言葉が合図となり、ベクトル隊は雲を曳いて散開した。
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