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『…こちらはアストラニア空軍。…大丈夫か?陸軍さん』
クロムは射撃を止めていた。
「く、空軍!?空軍だと!?この世界に放り出されたのは俺だけじゃ無かったのか!?」
『異世界…?よく分からんが、これより前方のアンノウンに攻撃を開始する。攻撃しても大丈夫か?』
「ああ、スパッとたたき落としてくれ!」
こちらに来たのは自分だけではない。そう感じた瞬間、クロムは全身から力が抜けた。
『戦闘機にとって敵のあの程度のスピード、止まってるようなもんだ。…ベクトル隊、接敵(エンゲージ)』
遠雷のような音はジェット機のエンジン音だったのだ。今までアルハンで日常的に、散々聞いてきた音が、異世界に居るという事実であれは雷の音だと思いこませていたのだ。上空を振り仰ぐと、制空迷彩を施したアストラニア空軍の戦闘機が三機、異世界の天空を舞っていた。
「一人じゃなかった…」
たった三機だが、味方がいる。しかもタイミングよく、空軍だ。
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