賭け事

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「そう言わずにさー、次で十人目なのに諦めちゃっていいの?ヴァルガスなら顔整ってんだし…」 どうしてフランシスがこんなに推してくるのか、こん時の俺にはわからへんかった。 「まぁ、フェリちゃんは取っちゃだめだけどよー、俺はお兄様も好きだぜ?アントーニョが賭け中断すんだったら俺がお兄様落としてもいいんだぜー!」 勝手にしろと言いたいところだけど、ここまで来て賭けを中断したら今までの苦労が水の泡だ。 「もうわかったわ……。せやったら性格の悪い兄の方にしよか。」 「そう言うと思った。」 フランシスが何か呟いたが俺の耳にまで届かなかった。
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