詩織の気持ち

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「そこまで難しく考える必要はないんじゃないかしら?」 「え?」 「詩織はただ、恵夢ちゃんのことを思ってそばにいてあげる…。こんな当たり前のことをしてあげるだけでいいと思うよ。それだけでも、恵夢ちゃんにとって心強いと思う」 「そか…」 「だから…ね?今は恵夢ちゃんのそばにいて支えてあげなさい」 「わかった。お母さん」 「早く元気になるといいわね」 「うん」 「小学校からの詩織の友達だし、恵夢ちゃんのご両親にもお世話になってるし」 「私、明日また恵夢のお見舞いに行ってくる」 「ええ、そうしなさい」 「何度か顔を合わせるうちに、何か思い出すかもしれないし…」 「そうね。いきなり部屋にきてごめんなさいね。今日はゆっくり休みなさい」 「はあい。おやすみ」 「おやすみ」
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