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翌日。
私は恵夢が入院している病院へと向かった。
「恵夢~おはよ」
「あ、詩織さん」
恵夢は体上半身起こして。
窓の外を眺めていた。
「具合の方はどう?どこか痛む?」
「あ、大丈夫です」
「そう。なら良かった」
「すみません…。いつもお見舞いに来てもらっちゃって。私は少しも思い出さないのに…」
「いいのよ。気にしないで。私はあなたの命が無事だということだけで、十分嬉しいんだから」
「詩織さん…」
「だから、焦らないで。少しずつ記憶を取り戻せばいいのよ」
「はい。ありがとうございます」
そう言って、恵夢が優しく微笑んだ。
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