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-地界・村はずれの小屋-
午前4時
ジリリリリリ!
太陽が顔を出すか出さないかぐらいの時間に、うっそうと茂る森の前にポツンと立つ小屋の中から大きな鈴の音がなりだす。
?「ン……」
小屋の中に置かれたベッドの中から手が伸びて枕もとにある音を鳴らし続ける時計を叩いて静かにする。
?「ふぁ……」
ベッドからまだ幼さの残る黒い髪の少年が起き上がると大きな欠伸を漏らす。
少年は髪と同じ色の黒い瞳の目を擦りながらベッドから降り、着替えを済ませ、壁に立て掛けてある剣を腰の紐に掛けて小屋を出る。
少年「さて、行くか。」
少年は小屋の前で大きく体を伸ばすと、小屋の後ろに広がる森に入って辺りを見渡しながら進んで行く。
しばらく森を進むと、少年は大きなウサギのような魔物が足もとの草を食べているのを見つけた。
少年は鞘から静かに剣を抜くと、魔物に気付かれないように茂みに隠れて様子を窺う。
少年はタイミングを見て魔物に隙が出来ると茂みから飛び出し、剣を振った。
魔物は少年に気づいたのか逃げようとするが、少年の剣が魔物に届く方が早く、魔物は一撃で絶命した。
少年は剣に付いた魔物の血を振り払い鞘に戻すと魔物を片手で持ち上げて小屋に戻るために歩きだした。
小屋の裏で魔物を手慣れた様子で捌くと、少年は小屋の中へと戻っていく。
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