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「此処です」
「此処って、地下水道の入口じゃ・・・」
「そうです。此処から帝都を脱出します」
「こ、此処から・・・」
「あまり気が進まないかもしれませんが、一番早く身を隠せるのが此処だけでさたので」
「仕方ない、か」
苦笑を浮かべて言ったサリアに溜め息をついた時、爆発音がして、ある場所から火の手が上がった。
「あそこは」
「お屋敷の辺りですね」
「っ!」
「いけません!」
ルティナは戻ろうとして、サリアに止められた。
「私が様子を見てきます。ルティナ様は一足先に脱出していてください」
「サリア・・・」
「大丈夫です。地下水道を抜けたら、フォルツランネへ。其処で落ち合いましょう」
「絶対だよ。気を付けて」
「はい。ルティナ様もお気を付けて」
そう言葉を交わすと、ルティナは地下水道の中へ入り、サリアは今来た道を戻っていった。
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