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「でも、驚いたなぁ。ロベルトって、家庭持ちだったんだ」 レリス達と遊んでいる姉弟を見ながら、ルティナは呟く。 「はい、どうぞ」 そこに紅茶とクッキーが置かれる。 見ると、ロベルトの妻と名乗った女性、アイシャがいた。 「それにしても、驚きました」 「えっ?」 「あの人、普段はこの街へ来ないんです。何をしているのかわかりませんが、毎月届く仕送りと手紙で無事を確認してるようなものなんです」 「そうなんですか」 「ええ。前は貧しくて毎日やっとだったんですが、最近は仕送りも増えて、少しずつ人並みの生活が出来るようになりました。ただ、前との差がありすぎて、何か危険なことをしてるんじゃないかと心配で」 アイシャはそう言うと、表情を曇らせた。
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