2847人が本棚に入れています
本棚に追加
「刃物で刺された・・・?」
知らされた衝撃の事実に鈴は思わず零の腕に触れた。
縋るような鈴の手に、零は一度、ちら、と目を落としたが何も言わなかった。
高村雪江の死亡については以前零が可能性を示唆していたためにそれほどの意外性はない。
しかし。
同じ死ぬにしても・・・・。
(まさか)
「こ、殺された・・・?」
怖れるような鈴の問いに、仁科が頷いた。
(そんな)
「失踪も何らかの事件に巻き込まれたから、という見解が強いです。・・・まあ九音寺くんは、何故か初めから殺人であることを知っていた様子ですが」
「え」
仁科の言葉に、反射的に零を仰ぎ見る。
見上げた先の零が、やれやれ、とため息をついて肩を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!