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「知っていた訳じゃない。単に、一番嫌な可能性を潰そうとカマをかけただけだ。それが当たった」
「カマかけ・・・?なるほど、してやられた・・・」
悔しそうに・・・というよりは半ば呆れた様子で仁科が呻く。
その横で。
鈴はほとんどしがみつくようにして、零の腕に体を寄せていた。
殺人。
事件。
それを一番嫌な可能性だと言った零の気持ちを察すると、あまりにも悲壮で言葉を失った。
叩き割られるようなその衝撃を思うと、痛みに胸が張り裂けそうだった。
(だって)
だって。
それじゃあ。
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