2847人が本棚に入れています
本棚に追加
高村雪江の失踪を追う内に、浅からぬ関係を持つ者として浮かび上がった創。
零は。
零は恐らく。
創の関与を真っ先に疑ったのだ。
創が高村を殺したのではないかと、それを一番に怖れたのだ。
そして現在の所、高村の死因が自然死ではなく他殺であるという事実から、零の危惧は最悪の方へ舵を切っている。
(だから・・・)
だからだ、と鈴は思った。
(見えなくなったんじゃない。見たくないから、見えないんだ)
これが普通だ、と言った零の裸眼が、彼の心の痛み具合を物語るようで、鈴は胸がいっぱいになった。
最初のコメントを投稿しよう!