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――――早朝。
巨大企業青葉製紙会社付近の森林公園で、女性の遺体が見つかった。
身元を示す所持品が無かったにも関わらず、彼女の身元が分かったのは、たまたま駆けつけた仁科がその容姿についての知識を有していたからだ。
すなわち。
肩胛骨辺りまで伸びた黒くてストレートのひっつめ髪。
赤い縁の眼鏡。
そばかす。
小柄の身長。
それらは全て、九音寺零という自称「霊の記憶が見える」少年から伝えられていた、失踪中の高村雪江の特徴だった。
一見して高村ではないかと疑った仁科は、現場検証後零に連絡を取り、詳細の確認を行った。
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