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要件を終え、電話を切る直前。
滑り込ませるような零の声が耳に呟いた。
「殺されたのか」
何故、そのことを零が知ったのかは分からない。
確かに高村の腹には鋭利な刃物が深々と刺さった傷跡があり、他殺であるとの見方が強かった。
でも。
自分は言わなかった。
零も視たわけではないという。
「僕なら殺した相手が分かるかも知れないぞ」
めずらしく積極的な零の言葉に唆され、仁科は零を現場に呼んだのだ。
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