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「だっているでしょう」
当然のことのように、鈴が応える。
「いますけど・・・なんで」
「なんでって。・・・・・あれ、何でだろう。でも私、九音寺くんの所に行かないと。九音寺くんが呼んでる」
(呼んでる?)
先ほどから変わらず動かない零の背中に目を向けて、仁科は首を傾げた。
零が鈴に連絡した様子はなかった。
それどころか、自分が電話した時、鈴は寝起きのようだった。
「仁科さん、答えて。どこに行けばいいの」
急かすような鈴の言葉に未消化の思考を一端、押さえ込む。
とにかく、話が早いのは助かる。
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