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「おいっ…なんだ急に止まって…早く中に入れ」
椋がいきなり立ち止まったせいで、後ろから続いていた境田と藤間は仰け反る形になった。
「えっ?あぁ…すみません。失礼しました」
何かが詰まっているような感覚を覚えつつ、椋は奥へと進み、それに後の二人も続いた。
間取りは玄関から真っ直ぐに廊下が続く形だ。
一番奥にリビングがあり、そこに行くまでの途中の廊下にトイレや洗面所、また寝室などがある。
殺害現場は奥のリビングのようだ。
既にそこには鑑識や他の刑事などが、集まっていてそこそこに広いリビングに人だかりが出来ている。
そしてそこには明らかに血の通っていない、まるで人形のようなものが横たわっていた。
「彼女が…」
「被害者はこの506号室に住む、平木涼子、30才。人材派遣の会社に勤めるOLだ。背後から右脇腹付近を刺された事による、出血多量が現在死因の有力だ。」
境田の説明するより、現場を見れば一目瞭然と言った光景だった。
遺体の周辺には血の海が出来上がっていて、出血の多さを物語っている。
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