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「それで?事件て?」
カツ丼は2.3分で食べ終え、窓を閉めた車内で概要を聞く。
「食べんの早すぎだろ…お前…
ったく、殺人事件だよ」
「さつじん?!どこで?!」
「タメ語はやめろ。上司だろうが」
「どこでですか!?」
「少し混んでるな…この調子ならあと10分くらいで着く。現場は遠山駅東口にあるマンションだ」
「東口!!逆側なんですね!!車でそんなかかります!?」
「今混んでるって言っただろ!!」
そこで藤間の携帯が鳴った。
丁度発進してしまったので、出るように椋に促す。
「本当怖いなぁ…。はいはい、誰でしょうねー…」
と携帯を開けて相手の名前を確認する椋…途端に怖いものを見たように、携帯を投げ出した。
「おぉい!!お前人の携帯投げんなよ!!誰からだ!!」
「………境田さんて…現場にもういるんですか?」
はぁと溜め息をついて、前方を見ながら、落ちた携帯を拾う藤間。
「当たり前だろう…事件発生の連絡からもう1時間経ってるんだぞ」
とそこでウィンカーにして、車をはじに寄せた。
「境田か?」
「おはようございます、警部今どこですか?」
「今現場に向かってる。あぁ…そのまま保存しておいてくれ。あっ?平か?……あぁ、まぁ、そう怒るなよ…あぁ…、今乗せた。たまたまな、そこで会ったんだよ。すぐ向かうから。じゃあな、青になったから切るぞ」
話を聞かなくても想像はできた。
椋は窓から外の風景を見つめている。
「逃げるな。境田からは逃げられないぞ」
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