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「藤間さんが早く起こしてくれないからー!!!!!!!!」
半べそをかきながら藤間を罵倒する。
「起きないお前が悪いんだろう!!迎えにきてくれただけ有難いと思え!!」
椋の方は向かわず、叱責する藤間の横顔にべぇーと舌を出す。
物凄く面倒くさそうに、盛大に溜め息をついたあと車の流れに入る。
「見えてるんだぞ」
「あぁーやだぁーやだぁー!!!!!!!!」
「黙れうるさいだろ!!!!!!」
「警部、おはようございます!!」
制服警官が黄色いテープが貼られている現場の前で、藤間に向かって敬礼する。
藤間は軽く手を上げて答えた後、テープをくぐって中に入っていく。
それに倣って椋も警官に敬礼をして、中に入っていった。
「現場はこのマンションの506号室だ」
エレベーターが降りてくるのを待つ間、簡単に事件について説明する。
一機あるエレベーターが到着して乗り込み、5階を押す。
「とりあえず…覚悟しとけよ」
「はっはい…」
現場についてから椋が無言になっていたのは気づいている。
事件に対して緊張をしているというより、現場で待っている男に怯えているというのにも気づいていた。
「遅い」
「すみませ…」
「遅い!!」
「すみません!!」
90度くらい上半身を曲げて、最敬礼のお辞儀で謝罪する椋。
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