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「今何時だ…?」
「えぇっと…今は…」
馬鹿正直に時計で時間を確認しようとする椋。
「んなこたぁいい!!遅い!!」
「ひぇっ…すみません…」
ぎろりとひと睨みした後で、盛大に溜め息をつき藤間に目をやる男。
「すまなかったな、遅くなって」
「いえ…」
軽く頭を下げて藤間と話始めた男は、先程椋が怯えていた境田だ。
椋と一緒に藤間の班の一員で、何かとペアを組む直属の上司にあたる。
冷静沈着で無表情。そのくせ嫌に頭が切れて、推理力が高い為、頭が上がらない。
「おい、平。現場見ろ」
藤間と話し込んでいると気を抜いていたら、急に話をふられ驚く椋。
その反応が気にくわないのか、眉間にしわを寄せて睨む境田。
「あっ…はっはい!」
椋は部屋のドアを開けた。
表札の名前を前以て確認したところ、この家の主はそういったものを着けない人らしく、見受ける事ができなかった。
扉を開くと、椋は突然変な感覚に襲われ、玄関で立ち止まってしまった。
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