第一話

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淡白……って言うのか? まあ、濃くはないか。 後ろに真琴の気配を探す。 友達と二人でいるようだ。 真琴 「わ~い♪卵焼き~♪」 友美 「あんた自分でお弁当作っといて、よくそんなリアクション取れるよね~」 『ホント天然なんだから……』 真琴 「フフッ……、お昼にはお弁当の中身忘れてるからね……」 友美 「食べた事ぐらいは覚えておいてよね……」 『しまいには呆け老人よ……』 真琴 「はぁ~い♪ あ、友美!そのイカリングちょうだい♪」 友美 「…………あんたは何時まで経っても、色気より食い気ね~」 『黙ってれば可愛いのに……』 真琴 「色気は………いつか芽生えるかもしんないじゃんっ! 食い気は本能的なものなのだよ」 友美 「一生色気とは無縁だと思う」 『まあ、だから友達やってんだけどね』 真琴 「ぶー ぶー」 ほのぼのとした会話が要の耳に入ってくる。 やはり真琴の心の声は聞こえない。
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