第一話

5/31
95人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
教室に入ると、女生徒の熱い視線が要に注がれる。 『要君~今日もカッコいい~♪』 『今日こそコクっちゃおっかな~♪』 『フフッ♪要君だって男なんだから、私の悩殺ボディーで落としちゃおっかな~♪』 『彼女いなさそうだけど、チェリーじゃないよね~?』 彼女達の心の声にウンザリする。 女ってなんでこうなんだろう……。 下品で自己中でうぬぼれ屋だ。 悩殺ボディーだと? 確かに胸は大きいが、ほぼドラム缶ボディーだろ……。 落ちようがないっちゅうの……。 俺は一生チェリーでいいよ……。 最中に、心の声聞かされたら出家するね……。 達也 「いや~、新学期も僕に熱い視線が集まるね~♪ よきかな よきかな」 要 「お前ってホント幸せな奴だな………」 この声が聞こえなければ、まだ恋愛と言うものに夢を持てただろうし、親にも見捨てられなかっただろう。 いいさ……。 俺にはそんなもの必要ない……。 こうして沢山のモノを諦め、手放し、自分の殻を厚くしていく。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!