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(……ッ!?)
東の空から太陽が昇り始めた頃、わたしは何かに呼び起されたように目を覚ました。
何かの夢を見ていたような気もするが思い出せない。
けど、胸の辺りからザワゾワと落ち着きがない。
目を覚ました今でも残っていた。
(夢……?)
未だ現実味のない感覚が残る体を落ち着かせるため深く呼吸をし、ゆっくりと辺りを見渡した。
東側に面した部屋。
茶色い木製の扉と対面するように一段式のベッドがあり、その隣には頭を揃える様に置かれた机。
机の上には先月発売されたファッション雑誌と、使いっぱなしの化粧道具が散らばり、椅子の上では洗濯物が積み重なっている。
(ここ……わたしの部屋だ)
我ながらきたな――いや、必要な物がいつでも手の届く所に置かれた、何とも使い勝手の良い部屋だと思いながら、
今自分が居る場所が、少なくとも知っている所ということに安心感を抱いた。
けど、どことなく違和感もあった。
凄く見下ろされている感があって落ち着かない。
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