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白いドアを開けると奥のキッチンから聞き覚えのある声がする
「おはよう 急がないと遅刻しちゃうわよ」
…加奈子?…そっくりだ
でもやはり
この女性と逢うのも初めてだ
「珍しく今朝は和食なんだね」
僕の言葉に
味噌汁を啜る少女の手が止まる
そして彼女は僕を見上げて
再び眉間に皺を寄せた
「何言ってるの?
朝は白飯に味噌汁だって
パパが言ったんでしょ?
…私はパンが食べたいのに!」
僕が…?
「まだ寝ぼけてるみたいね
顔…洗ってきたら?」
そう言って
加奈子によく似た女性は
優しい目で微笑んだ
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