【*】隣のメイク男子

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今日も相変わらず 暖かそうな場所を探して 『HA*NA』に入ると ベルの音と共に 『いらっしゃいませ。』 今日も変わらず優しげな声が響く. この声を聞くのが僕は好き. 声フェチには堪らなry 店員さん達ににっこりと微笑み返し カウンター席で大好きな雑誌を 幾つか捲りながら化粧品等の発色を見つつ絵を描く. この時間が何よりの至福の時間. 何時もの如く 砂糖多めのミルクティーを頼み パラパラと捲っていると 後ろから話しかけられ 思わず ビクッ と体が浮く. 【人見知り発動】 振り返る先には 目をキラキラと輝かせた男の子がいた. {か…可愛い…} 【人見知り解除】 つい驚きを隠せず目を見開く. 『読ませて!』と隣の席に座る彼に ついつい見蕩れてしまう. まるで本の中から飛び出して来たみたいだと 幾つかの本の中のKERAを見つめて思う. 「ジェルシャドー狙ってるんだよね、自分。」 とジルスチュの新作を指差す彼を見る. 同士だ!! 『僕も狙ってたんですッッ! この黒、絶対発色良いと思うので ひよりんメイク出来るかと…』 『おおー、わかるわねあーた。』 {声も綺麗…} 『ふふッ 僕、黒祢炬琉那って言います。』 満面の笑顔で笑うと 『自分、高木ユズル.ゆっけ って呼んでー。」 そう言って微笑み返す彼を例えるとまさに僕の憧れる 黒猫の様だった. 憧れ. {『ゆっけ』か...} にっこりと笑う 僕の頬は仄かに染まる. .
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