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世界が色褪せて見える
誰もいない神社に賽銭箱に座りながら霧島桐乃は詩人のように思っていた
これまで17年間生きてきて
俺が楽しいと感じた期間は
中学の頃、初めて彼女が出来た時くらいだろう
その彼女も半年で自分からフッてしまい
今じゃ、彼女いない歴を年単位で更新してしまっているわけだが……
過去を思いだし
真夏の太陽の日差しを
神社の陰から見つめながら
先程思っていた言葉を
今度は小さく呟いた
「世界が色褪せて見える」
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