拳銃に対する格闘術

7/7
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
誠一「…まぁ今は、4秒に短縮できたらしいけどな。それでも大いなる進歩だ。」 誠一は賢太にスライドとマガジンを渡すと、その場に座り込んだ。 …賢太が、分解された拳銃を組み立てようとやっきになっている。 誠一「俺は最終的には、お前たちに俺を越えてほしいと思っている。だから、俺も一緒に1から鍛え直すさ。」 誠一は、煙草を取り出すとくわえて火をつけた。 誠一「俺は鬼教官のような教え方はあまり好きじゃない。ちゃんと理屈や原理も含めて教えていきたいからな。」 やっと拳銃を組み立て終えた賢太は、ふと疑問に思った。 賢太「…理屈や原理…なぜですか?」 誠一「…なぜだか分かるか?」 賢太は首をふる。 誠一「…例えば、『右回し蹴りをした後に、左パンチ』と『左パンチをした後に、右回し蹴り』だと、どっちが早いと思う?」 賢太「…人にもよりますが、後者だと思います。」 誠一「なるほど。郁葉、何故そう思うんだ?」 郁葉「…大抵『右回し蹴り』は身体を捻りながら蹴るので、身体の軸がぶれ、そのあとのパンチが出しづらいと思います。また力の方向が逆になるので、一瞬動きが止まります。逆に、パンチを出したあとの回し蹴りは軸がブレにくいパンチからの蹴りですので、威力も高く、スピードも早いと考えます。」 誠一は、再び頷いた。 誠一「蹴り方や、その人の力量やタイプにもよるが、大抵がそうだな。技を組み合わせば複数の敵にも対処できる。しかし、それには高度な判断力や経験が必要だ。だからこれから徹底して身体に覚え込ますさ。」 誠一は立ち上がり、腕時計をみた。 誠一「…よし、今から1時間持久走を行う。そのあとに格闘訓練2時間。さっき教えた拳銃分解術に30分。休憩は間にそれぞれ15分だ。午後は別のトレーニングを行う。…容赦はしないからな?」 賢太&郁葉「…マジすか。」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!