竜の姫

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「久しぶり!元気だった?ハンターの仕事、どう?」 「ニーナは1年たっても変わんねぇよな。ハンターの仕事はまぁまぁ。やっと一人前になったとこ」 ハヤトは、照れ隠しとばかりに鼻の下を擦った。 私は何だか微笑ましかった。 ハヤトは“ハンター”、別名“妖狩者(ヨウシュシャ)”という仕事をしている。 妖(アヤカシ)を、退治するという仕事が主である。 ハヤトは小さい頃から、ハンターになることが夢で、 約1年前、師匠のシュベイツと共に、修業の旅に出たのだ。 そして、年に一度の試験に合格すれば、正式にハンターとなれる。 「じゃあ、試験に合格したの?」 「まぁな」 ハヤトは、肩に掛ける小さなショルダーバッグの中から、 筒状に丸められた紙を取り出した。 「…何?それ」 「まぁ、待ってろって」 そう言ってハヤトは、その紙筒に結ばれた紐をほどいた。
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