プロローグ

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夜空につんざく悲鳴‥じゃない 高く鳴り響く排気音。 何重にも重なり、夜の大気を震わせる‥。 夜の静けさが、きらいだった。 夜、一人で家にいると、世界で私だけが取り残されたみたいに感じて どうしようもなく 悲しくなった。 「お母さん」 呼んでみる。 「お父さん」 呼んでみる。 「遥(はるか)。」 呼んでみる。 ‥‥誰も、いない。 「‥‥っく‥」 涙が、簡単に目から溢れ 流れ落ちていく。
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